現在、3歳以上の犬猫の8割が歯周病になっていると言われています。歯磨きなどのデンタルケアが大事なのはわかるけど、口を触らせない、嫌がるから毎日やるのはしんどいなどの理由から続かないことが多いと思います。
執筆者 獣医師 結城 真浩(ゆうき まさひろ)ワンニャンモバイルクリニック 院長 2002年日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、神奈川県、東京都の公務員(獣医職)を経て南砂どうぶつ病院・もとい動物病院に勤務。2013年から3年半アメリカ(ノースカロライナ)で子育て&主夫業を経て、2016年もとい動物病院に再度勤務、2022年に「もろもろあって動物病院に通いづらい犬猫にも診療を届けたい!」という思いからワンニャンモバイルクニック開業しました。当院は、『プライベート診察室をご自宅に』をコンセプトに、往診車内やご自宅内でじっくりとお話を聞きながら診察しています。小動物歯科研究会・往診獣医師協会所属 |
デンタルケアはコツコツと
歯ブラシを使った歯磨きはデンタルケアのゴールデンスタンダードで間違いはありません。しかし、嫌がる我が子に毎日やるとなると、お互い気が滅入ってきます。根気強くトレーニングして歯磨きが好きになるようにするのも大事ですが、できる範囲のデンタルケアをコツコツと続けるというのもありだと思います。デンタルガムやデンタルサプリメント、デンタルグッズ、何でもいいと思います。我が子が受け入れてくれるものがきっとあると思います。
そして、定期的に口腔内をチェックし、ある程度歯石がついてしまったら、麻酔下でのスケーリング(歯石取り)をするという流れはいかがでしょうか。欧米では生涯に1~2回の麻酔下スケーリングは一般的になってきています。
ここで注意点
歯磨き効果があると思って鹿の角やヒマラヤチーズなど、カッチカチのものを与えている飼い主さんがいたら、これは絶対にやめてもらいたいと思います。かなりの確率で歯が折れる、破折という状態(奥歯が縦に板状に折れる平板破折が多い、特にワンちゃん)が起こります。ある日急に口臭が気になるようになったら破折の可能性がありますのでご注意ください。
次に、無麻酔スケーリングをしているという話をしばしば聞きます。これもやめたほうがいいと思います。麻酔のリスクが心配という気持ちも分かりますが、動かないようにがっちり保定され、意識がある状態でゴリゴリと先の尖ったスケーラーで削られるわけです。かなりの確率でそのトラウマにより、家でのデンタルケアが不可能になります。また、無麻酔スケーリングでの事故の報告も多くあります。そんなリスクがありながら一番大事な歯周ポケットの歯石は取れていないので、終わった後も口臭がするという話もよく聞きます。
ワンちゃんネコちゃんも歯が命
歯周病は心臓や腎臓疾患を悪化させるリスクがあります。我が子が受け入れてくれるデンタルケアを一つでも見つけていただき、それを継続してもらいたいと思います。また、定期的な歯のチェックや健康相談は往診でも対応可能です。気になったらまずはご相談下さい。
健康な歯で長生きしましょう!
編集部より
MyBESTieeが制作・編集をさせていただいている、往診獣医師協会様の情報誌「Cerca」から結城先生のコラムをご紹介させていただきました。
私の愛犬は現在8ヶ月で日々のスキンシップである程度どこを触られてもOKになってきましたが、爪切りとお口の中はまだ嫌がります。(暴れると言ったほうがいいかも…) 嫌がられるとなかなかフラットな気持ちでできなくなりますよね。頑張りすぎずできる範囲をコツコツと、先生の力を借りながら。「破折」のことも気をつけていきたいですね。
「Cerca」は3ヶ月ごとに会員獣医師の先生方によるコラムを中心に、飼い主様にとって有益な情報をお届けしております。
先生方による直接配布に加え、宿泊施設やカフェ、トリミングサロン等、順次設置先を拡大しておりますので、お手に取っていただけたらうれしいです。
往診獣医師協会様のホームページでは、往診専門動物病院の検索や、おうち看護の工夫など役立つ情報が掲載されていますので、すぐに往診治療を必要とされていない飼い主様もご参考になさっていただければと思います。
執筆/結城真浩先生(ワンニャンモバイルクリニック院長) 編集/MyBESTiee編集部 |
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