犬は遊びが大好きな動物。なるべく毎日遊んであげたいところですが、遊び方がよくわからない飼い主さんも少なくないようです。この記事では犬に遊びが必要な理由や犬と遊ぶ時の注意点を解説します。また、犬が好きな遊び方を多数ご紹介します。愛犬と楽しく暮らすために役立てていただければ幸いです。
監修者![]() 日本大学獣医学科卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在の獣医師になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーに、アニマルライフパートナー設立。 獣医中医師、ペット栄養管理士などの資格を生かし、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療(神奈川県藤沢市及び近郊)のほか、企業顧問、製品開発など活動は多岐にわたる。往診獣医師協会代表理事、女性獣医師ネットワーク理事を務める。著書に『犬のいる暮らし一生パートナーでいるために知っておきたいこと』(池田書店)。 |
犬が遊びを好きな理由
犬はもともと野山を駆け回り狩りをしていた生き物です。そんな犬の狩猟本能を刺激してくれるような遊びは犬に満足感を与え、ストレス発散につながります。遊ぶことによってストレス発散ができると、ストレスによって起きていた問題行動がなくなることも。ぜひ積極的に遊んであげましょう。
犬が遊んでほしい時のサイン

犬が遊んでほしい時、どんなサインを送ってくるか知っていますか?
- 前足でトントンとタッチしてくる「パピーリフト」※1
- 前足を伸ばして頭を低く下げ、お尻を上げる「プレイバウ」のポーズ※2
- 飼い主のもとにおもちゃを持ってくる
このようなサインが見られたら、犬があなたを遊びに誘っています。可能な限り遊び相手になってあげると良いでしょう。
※1 パピーリフト
※2 プレイバウ
犬が喜ぶ遊び方7選
1.持ってきて遊び
おもちゃを投げ、愛犬にくわえて持ってこさせる遊びです。動くものを追うという犬の本能を満たすことができます。
遊び方は、おもちゃを生き物のように動かし、犬がおもちゃを追い始めたら、おもちゃを投げます。最初は近い距離に投げることから始め、おもちゃを持ってきたら大げさに褒めて遊びのルールを理解させましょう。
2.引っ張りっこ
タオルやロープ、おもちゃなどを生き物のように動かして、愛犬が口にくわえたら引っ張り合って遊びます。くわえて引っ張るという犬の本能を満たしてくれる遊びです。犬が飽きないように飼い主と愛犬が交互に勝つようにすると良いでしょう。
タオル、ロープ、おもちゃなどを縦に引っ張り合うと犬の首を痛めてしまうため、必ず左右に振って遊ぶようにしましょう。
3.宝探し(ノーズワーク)
大好きなおやつを隠し、愛犬に嗅覚を使って探してもらう遊びです。
・軽く結んだタオルの中にドッグフードを数粒入れて探させる
・複数の紙コップを用意してその中の一つにおやつを入れる→紙コップをすべて逆さにして、どれにおやつが入っているか探させる→慣れてきたら紙コップの位置をずらし、難易度を上げてチャレンジ
このように工夫して遊んであげましょう。
おやつのほかに大好きなおもちゃを探させてみても良いでしょう。
4.追いかけっこ
飼い主さんを追いかけることで狩猟本能を満たすことができ、良い運動にもなる遊びです。
この遊びのポイントは必ず飼い主さんが「追われる側」になること。犬を飼い主さんが追いかけるのは禁物です。犬が逃げることを楽しいと感じるようになると、いざという時に戻ってこなくなってしまう可能性があるので気を付けてください。
5.かくれんぼ
飼い主さんが隠れて、犬に探してもらう遊びです。犬が飼い主さんを見ていない間に隠れ、「おいで」などと声をかけて飼い主さんを探させてみてください。最初はわかりやすい場所から始め、慣れてきたら徐々に難しい場所に隠れていくと良いでしょう。
6.ジャンプ&トンネル
飼い主さんが座って片方の膝を立て、足でトンネルを作ります。おもちゃやおやつで愛犬を誘導し、トンネルをくぐらせたりジャンプをさせたりして遊びます。
7.知育玩具
犬と遊ぶ時間がとれない時は犬が一人遊びできる知育玩具もおすすめです。嗅覚や頭を使って玩具に入ったおやつを探し出すトレーニングができ、犬にとって良い退屈しのぎにもなります。
犬と遊ぶ時の注意点
飼い主と遊ぶ時間は犬にとって、とても楽しいものですが、遊びの時間に犬の身体に負担をかけたり、危険な状態になってしまったりすることがあります。犬の身体にも心にも負担をかけないように、以下の点に気を付けて遊んであげましょう。
興奮しすぎたらクールダウンさせる
犬は興奮しすぎると飼い主さんの言うことを聞けなくなることがあります。そうなると噛みつくなどの事故につながるおそれがあるため、いったん遊びを止めて犬が落ち着くのを待ちましょう。
誤飲に注意
おもちゃで遊ぶ場合、あまりに小さいものを選ぶと誤飲につながるおそれがあります。また、壊れやすい材質のものも避けましょう。破損して鋭利な状態になってしまったら愛犬や飼い主がケガをしてしまうかもしれません。
玩具でケガをしないように、中綿のない犬用のぬいぐるみ玩具やロープトイなどの壊れにくい玩具・壊れても危険性が低い玩具を選ぶと良いでしょう。犬が玩具で遊んでいる間は誤飲をしないよう、飼い主が常に監視をしておくことも大切です。
また、中綿が出たぬいぐるみやほどいたロープなどの壊れた玩具をそのまま使っていると誤飲につながります。ボロボロになった玩具はすぐに捨てましょう。
硬いおもちゃは要注意
本物の骨などを使った硬いおもちゃは、くわえることで歯が削れたり折れたりする可能性があります。硬いフリスビーをくわえて歯がすり減るケースもあります。硬いおもちゃを与えるのはやめましょう。
遊んでいるおもちゃを取り上げない
おもちゃ遊びをおしまいにしたい時、急におもちゃを取り上げると犬は怒ってしまいます。大好きなおやつを与えるなどして、おもちゃとご褒美を交換するとスムーズにおもちゃを放してくれるでしょう。
滑る床で遊ばない
フローリングなどの滑る床で遊ぶと、四肢を踏ん張ることができないため、犬の足腰に負担がかかります。脱臼や関節炎の原因になることもあるので注意しましょう。遊ぶ時はカーペットなどを敷いた滑らない床で遊ぶのがおすすめです。
犬の前脚が浮かないようにする
犬は4本の脚を地面に付けているのが自然な状態です。引っ張りっこなどの遊びに夢中になるあまり、後ろ脚だけで立つことがないよう気を付けてあげましょう。後ろ脚だけで立つと重心が不安定になり、下半身に無理な力が入ってしまいます。腰に負担がかかるほか、股関節やひざの関節を痛める原因にもなるので要注意です!
まとめ
犬は遊ぶことで、狩猟本能を満たし、ストレスを発散することができます。また、飼い主さんと愛犬が一緒に楽しく遊ぶことで絆を深めることもできるでしょう。たとえ短時間でもなるべく毎日遊んであげることで愛犬の心は満たされます。ぜひ、今回ご紹介した遊びを取り入れて、愛犬を楽しませてあげてください。
監修/獣医師 丸田香緒里(アニマルライフパートナー院長) 執筆/MyBESTiee編集部 |