【獣医師執筆】呼吸の苦しい犬と猫

【獣医師執筆】呼吸の苦しい犬と猫

「呼吸が苦しい」犬猫は、往診にはとても多い症例です。
息が苦しい動物がカゴに入れられ、乗り物に乗って、待合で待って、知らない診察室で知らない人に囲まれるのは大変なこと。

 

執筆者

獣医師 大熊慶子(おおくま けいこ)
往診専門森のくま動物病院 院長
自転車&動物エッセイスト。 ムツゴロウ・畑正憲さんも執筆した、共同通信人気ペットコラムに「獣医のキモチ」全五回を連載。全国の新聞に配信された。東京都杉並区出身。慶應大学文学部卒。カナダ・州立ビクトリア大学に交換留学。酪農学園大学獣医学部卒。毎日新聞記者を経て獣医師。東京大学動物医療センター内科系診療科研修医終了。一女一男の母。仕事のかたわら、動物、ロードバイクについてインスタグラムにエッセイを執筆中
【HP】往診専門森のくま動物病院

 

往診治療にできること

ある高齢のチワワは、僧帽弁閉鎖不全症で肺水腫になり、行きつけの病院で「もうできることはない」と言われたそうです。

最大量の心臓のお薬をもらっていました。肺水腫の治療は水を落とすこと。

ここから先は、多量の利尿剤を注射して肺の水がなくなるようにするという治療になりますが、心臓はラクになっても脱水が腎臓に負担をかけるので、血液検査と入院治療が必要になります。

入院中に死亡することもあるので、 もう治療をしないでおうちに帰る判断も妥当でした。

 

眠れない苦しさからの解放

一か八か、おうちの酸素室で飼い主さんに利尿剤を飲ませてもらい、 呼吸の苦しさの指標である、寝ている時の呼吸数をLINEで知らせてもらいお薬を増減しました。

すると夜も眠れない苦しさだったのが、肺水腫から離脱することができたのです。
腎臓の数値も問題ありませんでした。

これはとてもうれしいことでした。
ご自宅にも酸素室は設置でき、 往診にもエコーと血液検査機器はあり、そして何より飼い主さんが大変優秀な動物看護士さんであった ことから、リモートで動物病院に入院しているような治療ができるのです。

 

飼い主さんと二人三脚

心臓病、腫瘍、甲状腺の病気などで、胸水のたまる猫の治療も多く行っています。

内科疾患の末期は良くなることばかりではありませんが、おうちで飼い主さんと二人三脚で、動物のために一番よいと思われる次の一手を打っていく、往診治療に大変やりがいを感じています。

 

編集部より

MyBESTieeが制作・編集をさせていただいている、往診獣医師協会様の情報誌「Cerca」から大熊先生のコラムをご紹介させていただきました。

Cerca」は3ヶ月ごとに会員獣医師の先生方によるコラムを中心に、飼い主様にとって有益な情報をお届けしております。

Cerca」は先生方による直接配布に加え、宿泊施設やカフェ、トリミングサロン等、順次設置先を拡大しておりますので、お手に取っていただけたらうれしいです。

往診獣医師協会様のホームページでは、往診専門動物病院の検索や、おうち看護の工夫など役立つ情報が掲載されていますので、すぐに往診治療を必要とされていない飼い主様もご参考になさっていただければと思います。

👉往診獣医師協会ホームページ

 

執筆/大熊慶子先生(往診専門森のくま動物病院院長)
編集/MyBESTiee編集部

 

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