往診医療を始めて感じたことは、『実は飼い主さんは、獣医師に聞きたいことがたくさんある』ということです。
執筆者 ![]() るい動物病院 院長 1997年岐阜大学農学部獣医学科を卒業し、知多郡武豊町ナガセ動物病院勤務。2014年に我が家の愛犬であるトイプードルの名前である『るい』を病院名とした往診専門「るい動物病院」を開院。 |
聞きたいことがたくさん
往診医療を始めて感じたことは、 『実は飼い主さんは、獣医師に聞きたいことがたくさんある』ということです。
施設で診察台を挟んで話をするときは、基本的にはその『病気』についての話になります。 初診であれば今の体調がどうなのか、再診であれば治療の経過が良いのか悪いのか。
下痢で通院すれば、聞くことはお腹の調子のことだけ。
皮膚で通院すれは、聞くことは皮膚のトラブルのことだけ。
寝たきりで褥瘡ができた場合、褥瘡の治療のことだけ。
動物病院は、次に待たれている方が待合室にいることもあり、あまりいろいろなことを聞けない、というのが飼い主さんの本音のようです。
ゆっくり相談できる時間
往診診療は基本的に獣医師一人で診察から会計まで行いますので、飼い主さんと接する時間や対話の時間が長くなります。
『先生、ちょっと聞いていいですか・・・?』という一言から始まり、
下痢であれば
『このフードを与えているが、それでいいのか』
『おやつはどのくらいあげていいのか』
『今度、再発しないために気をつけることはないのか』
皮膚病であれば
『シャンプーはどのくらいすればいいのか』
『食事で気をつけることはないのか』
『実はこのサプリメントを与えいるが大丈夫なのか』
寝たきり介護であれば
『ベッドはこの素材でいいのか』
『体位は何時間おきに変えればいいのか』
『過ごす場所はリビングのこの位置でいいのか』
『部屋の温度はどのくらいが適切なのか』
『起こすときにどのように介助すればいいのか』
ふだんの姿を見る大切さ
話し出すと、堰を切ったように聞きたいことがあふれ出す飼い主さんもいらっしゃいます。
飼い主さんは、体調を崩してしまった我が子についてや日頃の健康管理について、実は沢山の不安を抱えているのだなと感じます。
ほんの些細な事・わざわざ獣医師に聞くのは申し訳ないかなと思われることが、実はそのペットの健康維持や、病気の家庭での管理や付き合い方において、とても大切な情報であると感じることもしばしばです。
往診診療は診察台の上で行う診療と違い、ペットに緊張感がないため、『ふだんの素の表情や行動』を見ることができますので、きめの細かいアドバイスが可能かなと思います。
気軽にご相談ください
往診を呼ぶということを、少しハードルの高いことだと感じずに、お困りごとがあれば、もっと気軽にお声掛けいただければ嬉しいです。
編集部より
MyBESTieeが制作・編集をさせていただいている、往診獣医師協会様の情報誌「Cerca」から山口先生のコラムをご紹介させていただきました。
話しているうちに、聞きたいこと・不安に思っていることなどがどんどんあふれてくる、その気持ちとてもよく分かります。病気や症状のことだけでなく、ふだんの生活のことについても直接環境を見ながらアドバイスをもらえる往診の先生はとても頼もしい味方になってくれますね。
「Cerca」は3ヶ月ごとに会員獣医師の先生方によるコラムを中心に、飼い主様にとって有益な情報をお届けしております。
先生方による直接配布に加え、宿泊施設やカフェ、トリミングサロン等、順次設置先を拡大しておりますので、お手に取っていただけたらうれしいです。
往診獣医師協会様のホームページでは、往診専門動物病院の検索や、おうち看護の工夫など役立つ情報が掲載されていますので、すぐに往診治療を必要とされていない飼い主様もご参考になさっていただければと思います。
執筆/山口 真紀子先生(るい動物病院) 編集/MyBESTiee編集部 |
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